霧月の執筆道場

文章の練習用のブログです。内容はノンフィクション寄りの雑記(Essay)。

ゲレンデまで溶かす春の陽気とWBCの熱気

今日は、今シーズン最後のゲレンデに行くことになった。

 

今シーズン訪れたゲレンデは、前回までは全て同じ場所だった。

しかし雪の状態が前回でギリギリという感じであり、かなり緩んで滑りにくくなっていたことと、今日は流石に最後ということで違う場所に行くこととなった。

 

去年は何度か行ったゲレンデのため、およそ1年ぶりの場所である。

 

 

現地に到着後、駐車場で道具の用意を始める。同じように用意をする周囲の車からは『メキシコが先に点を入れた』との話が聞こえてきた。

 

今日はWBC準決勝の試合が朝から行われる日でもあった。

リフト待ちの列でも休憩中の席でも、どこに行っても、人の声が聞こえればWBCの話題で持ちきりである。

 

滑っている中でとある休憩所に流れ着き、中に入ると試合中継が放送されていた。

テレビの前はすでに観戦者で賑わっていた。

 

屋内の狭さでより人が多く見えたのもあるかもしれないが、それにしても、ゲレンデで滑っている人よりもテレビの周りに集まっている人の方が多いようにさえ見えた。

 

 

日本チームの選手を皆で固唾を飲んで見守り、点が入るとまるで会場のように湧く。

終盤につれ、観客はさらに増えていった。

 

偶然居合わせた人たちが、同じものを見て同じ思いで盛り上がれるような事は、スポーツ以外を含めても世の中そんなに多くはないだろう。

野球は凄いスポーツの一つである。

 

私は野球はあまり詳しくないのだが、それでも今回は同世代の選手や知っている選手が多い為か、これまでより観ている時間が長くなっていると思う。

 

勝利の瞬間、皆で喜びあったあの休憩所は、やはり少人数で観戦するのとは違うものがあった。人数が多い分、迫力も違う。

 

滑りに行ったのか野球を見に行ったのか分からないくらいには長時間見ていたが、純粋に楽しかった。

 

もちろん、この場所に限らず、全国的に今日明日はまだ熱気も続かざるを得ないだろう。

 

 

ゲレンデは春の様相に変わりつつあった。

今日の試合よりも前から、既に冬の寒さは緩み始め、ゲレンデの雪はシャリシャリに溶け、水を多分に含んだ重い雪に変わってきてはいた。

日当たりの良い場所から地面も見え始めているほどだ。

 

帰る頃には朝よりもさらに雪が減っているようにも見えたが、

太陽の力だけではなく人間の熱気も多少は影響したのかもしれない。

 

 

いずれにせよ、訪れつつあるであろう、暖かい季節を今は待つばかりである。