霧月の執筆道場

文章の練習用のブログです。内容はノンフィクション寄りの雑記(Essay)。

「恋愛と仕事を天秤にかける」という比喩に思うこと

例えば「恋愛と仕事を天秤にかける」という比喩がある。

 

女性が男性に聞くことがベタなフレーズとして知られている。

また、このような行為を、男性は嫌うと言われている。

 

私も男性ならばそうなるような気がする。

 

しかし、私は女性である。

私は"自分がどうなのか"だとどうも天秤にかけざるを得ない。

 

現在は彼と暮らしているのだが、仕事と恋愛を天秤にかけた場合、仕事より彼を取れると思ったからそう選択したに過ぎない。

そうでなければ週末や休日も含めて、起きている時間はやはり仕事のことばかりしているだろう。

 

仕事の良い面は生活保障や給料以外にもいくつかある。

あくまでも一人でいた時、仕事に依存していた頃の私の考えだが、まず第一に、「仕事は現実と向き合うことを忘れさせてくれる」という面があった。

ここで言う現実は、目の前の自分の問題とは違う。動いて解決可能な問題なら動けばいいだけである。そうではなく、漠然とした将来の不安や、自分の存在への疑問、自分で動いても解決できないような問題など、考えうる限りどうしようもない問題である。

その問題から、仕事中だけは一時的に目をそらすことができ、不安から開放されることができる。

第二に、役に立っているという実感が生まれる。仕事では誰かに奉仕することになるが、奉仕して役に立つことにより、自分がここに存在して良いと肯定してもらっているような気分になる。

 

他にもあるが、一人の時はこんな感じの理由で仕事に依存していた。

 

もちろん、上記は生活の保障が成り立った上での話なので、給料が安すぎたり仕事上の人間関係で体調不良になるなど、余計な心配事がある時は上記には当てはまらない、とは言えるのだが。

 

また、私の場合は実家の環境が良くなかったというのもあるだろう。

実家にいるとき、母が父の愚痴を結構頻繁に言っていたからか、基本的に相手を信用することができなかった。実際は本人達にしかわからないことだが、母が逃げられないのは経済力が原因だからではないかと常々小さい頃から考えていた。

そのため、経済の対策も含めて逃げることは常に考えておかないといけないと思っていた。

 

それが、彼には騙されてもいいとさえ思ったから、今はここにいるわけである。

もちろん出会ってすぐに色々と決めたわけではないのだが…。

何年も生活し、騙されていなかったのは奇跡であり幸運だったと言えると思う。

 

 

女性の中でも色々な考えがあるとは思うが、

女性が恋愛と仕事を天秤にかけた場合、未婚の場合は、自分の身の安全を考えていることも結構多いのではないかと思う。