霧月の執筆道場

文章の練習用のブログです。内容はノンフィクション寄りの雑記(Essay)。

義理チョコの甘いお返しで、苦い子供時代の思い出が蘇る

今週のお題「あまい」

 

今日はお題で書きます。ちょうど甘いものを食べながら書こうとしていたので。

 

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今、手元にあるものは、バレンタインの義理チョコのお返しで頂いたMary'sのチョコレートである。

 

これは義理なので別に問題はなく、不満でもなんでもないのだが、Mary'sを買っておけば良いと思っている人はやはり一定の割合でいるのだろうか。

 

 

 

そう思うのは、私の父がそうだったからである。

 

あれはまだ小さい頃だったはずだ。

父のお返しは何を渡してもMary'sだった。

すごく趣向を凝らしたチョコレートを買ってきても、手作りを渡しても、

毎年同じ箱入りのMary'sである。

 

実家時代の家族構成は、父以外には母、娘2人であったが、父には何を渡しても一律に3人とも同じものが返ってきた。

これはチョコレートが要らないという意思表示だったのかとも今になって思うが、その反面、会社でもらってきたチョコレートを家で披露する姿はなんだか誇らしげだった。

 

もらうことそのものは嬉しくても、チョコレート自体には興味がなかったのかもしれない。

 

ただ家族以外にも、外で同じように一律に同じMary'sを渡していなかったのか、今になって心配になる。

もちろん皆義理だからと言って気にしないかもしれないが、毎年同じ対応をされて嫌な思いをされている方がいたら申し訳ないと思う。

 

私には知る由もないのだが…。

 

 

 

家庭内ではこのあたりを正面切って言えるような関係ではなかったことと、

元々バレンタインにあまり興味がなかった私は、次第に面倒で渡さなくなった。

しかし、やはり他の家族には毎年同じMary'sを渡していたようだ。

 

 

もちろん、Mary'sが悪いわけではない。

 

私達女性が渡すものは、相手のことを考えて、喜んでもらうことを想像しながら、時間をかけて選んだり作ったりしたものである。

 

それに対して毎年テンプレートかのように同じ対応をされては、何も伝わっていないのではないかと思うし、

自分の行動に対して疑問を持たざるを得なくなる、というだけの話だ。

 

 

Mary'sに対しては何とも思っていないが、やはり目にすると今でもこの時のことを思い出す。

甘いような、苦いような、少し遠い記憶の話である。