私は、20代後半の女性である。
最初に社会に出てから10年ほど経つが、私が仕事をしてきた中小企業の職場では、若年層(同年代)の離職率がとても高かった。
ひとつ言えるのが、給料の低さである。
若年層の正社員定着率を上げるためには、最低でも時給換算したときに、周辺地域のアルバイトや非正規雇用の相場よりは高くないと目移りしやすいのではないかと思う。
仕事は給料の良し悪しだけで長く続けられるものでもないが、あまりにも額面が低いことも問題である。非正規より給料が低いことにより、時間を無駄にしているような気持ちにさえなる同僚もいた。
逆に非正規より給料がよければ、辞めたくなっても踏みとどまる理由になったりもするものだ。
男性はそれでもまだ長く勤めることに意味があり、給料が上がっていくことが体感として分かったと思う。上司や先輩社員で、所帯を持ちマイホームを購入しているのを見れば、それが自分の将来の姿と重なることもあるだろう。
ただ、女性にはそれがなかった。同期と一緒に、自分たちより数年長く働いている先輩社員の給料を聞いたことがある。それが自分たちとほとんど変わっていない事実に絶望を覚えたことを、今でも鮮明に記憶している。
これまで女性はライフステージによって辞めやすいと言われてきた事実がある。
しかし、男性と同じように給料が上がる事実があり、またそのような待遇を受けている女性の先輩を見ていれば、少なくとも給料面が理由でやめることはないだろう。
そのようなビジョンはモチベーションとして必要だと思う。
これまでの女性のライフステージの常識は既に通用しなくなっている。結婚・出産・育児を人生に組み込まない女性も今後更に増えていく可能性が高い。
それらを個人に強要することが出来ない以上、女性が社会貢献をできる機会を増やし、男女差別はなくしていったほうがいいとは思われるが、現実的に男女差別は何年経ってもなくなる気配がない。
男女雇用機会均等法が私が生まれる前に制定されたことを学校で教わり社会に出たが、実際にある程度平等だったのは学生のうちだけである。社会に出てからはまったく平等とは言い難い現実があった。
資格取得など、何を努力したら給料が上がるのかを明確に提示することや、社内で給料が上げられないのであれば、アルバイト等の副業も自由だということをもっと大々的に周知することが必要かと思う。
大企業に関してはその辺りはかなり進んではいると聞くが、やはりそれではタイミングや運に恵まれた人しか恩恵を受けられない。
決して努力だけでそのような企業に行けるわけではないからだ。
給料面のデメリットを上回るほど職場の雰囲気が良かったり、何かしらのメリットがあれば、それがいる理由になることもあるだろう。
良くも悪くも、その職場そのものは世界で一つしかないものである。そこに価値を感じられるなら留まる意味はあるだろう。
しかし、そうとは言えず、その職場での将来が期待できない場合、やはり現実的には勤めている側の個人で何らかの動きをするしかない。
やはり、節制を心がけ、転職または転職に向けての努力をするしかないのだと思う。