霧月の執筆道場

文章の練習用のブログです。内容はノンフィクション寄りの雑記(Essay)。

経験してきた環境で「雪」に対しての印象も違う

私は雪国出身在住である。

3月なので雪も溶け始めている時期だが、今日は雨が混ざったような雪が朝から降っていて驚いた。

天気が良い日が続いていたので、今月タイヤ交換をしかけていた程だ。

しかし、今日の雪により一部チェーン規制が行われていたので、タイヤ交換は見送って正解だったようだ。

 

 

今日は先日書きかけていた、雪の話を書いてみることにする。

 

 

私はずっと、この雪国で暮らしてきた。

県外に出かけたことはあっても、引っ越しまでしたことはない。

毎年この地域で冬を越してきた。

子供のうちはそうでもない気がしているが、大人になったらみんな雪を敬遠するようになるのが通例だった。

 

…と、思っていた。

実際、周りに話を合わせることを優先したら「雪は面倒」で通せば周囲と意見がズレることはない。逆にあまりに雪を歓迎すれば、はっきりとは言われずとも奇異な目で見られることもある。

 

私は雪に良いも悪いもないと思いつつも、面倒なので合わせることのほうが多かった。

 

確かに雪が降れば、まずは交通が渋滞する。

車が少ない場合や、車列の運転手すべてが雪に慣れている場合はそこまで渋滞しないこともある。とはいえ、渋滞することのほうが基本的に多い。

また、多めに降った日は雪掻きも必要になる。雪の量にもよるが、重労働である。

 

そんなこんなで地元民には敬遠されがちでもある雪である。

 

 

しかし、雪国の外の暖かい地域から来た彼は、そうでもなさそうだった。

彼もこの地域に住んでそれなりに経つのだが、雪が降ると毎年嬉しそうだ。

 

去年初雪が降った日は、雪を見るために夜宛てもなくドライブに出かけた。

暗くなってからも深々と降る雪の中、ほとんど車がいなくなった街の中を走ったのはまだ記憶に新しい。

その嬉しそうな表情は、この地域で見るには珍しいものかもしれない。

 

私達は冬にはスノボやスキーをするので、確かにそういったウインタースポーツをする視点では恵みの雪ではある。でもやはり、それだけではなさそうに見える。

 

おそらく、私も子供の頃はそうだった。

雪が嫌いとまでは特に思ったことはなかった。

 

こういったものは、結局、色々な思い出が結びついて決まるのだろう。

 

まだ私はこの地域に住む可能性が今のところ高い。

いろいろとある雪だが、今年の年末も良い雪の記憶を作れたら良いと、

今季最後になるかもしれない名残雪を見ながら思うのである。