霧月の執筆道場

文章の練習用のブログです。内容はノンフィクション寄りの雑記(Essay)。

夜明け前の暗さは、意外と人に優しかった

私は、今がちょうどそういう時期なのか、

初めから持っていた本心なのかは曖昧だが、

 

正直、朝、目覚めたくない。

そう思う日がかなり多い。

 

日の出後の朝早い時間が特に嫌いだ。

この世界を一番拒絶したくなる時間。

 

ここから始まる一日は、長い。

 

何年も朝を繰り返した研究結果としては、この現象には睡眠時間は関係していてもそれが全てではない、と言えそうだ。

睡眠時間が少ないと当然ながら体調に響くが、適切であってもある程度の不快感があることには変わりない。

 

基本的にはこの時間帯に良い思い出があまりないのだろう。

私の好みの問題だけではなく、もしかしたら、人生を通して表情が沈んでいる人を一番見てきた時間帯なのかもしれない。

 

 

唯一、例外がある。日が昇る前の時間帯から活動していた頃に限っては、そのまま迎える日の出も悪いとは思わなかった。

 

具体的には2つ。

学生時代、その時間帯から勉強や何らかの文章を書いていた時期。

そして数年前に経験した2度の夏に、高原野菜の収穫の仕事をしていた頃。

 

まだ世の中が動き出す前の時間帯は優しい。

そして、人を否定しない。

あの季節を通して、そんな印象が残っている。

 

仕事場に関しては有難いことにとても楽しかった、という点もあるだろう。

職場で迎える日の出は、まさに大自然の山脈を照らす、雄大で贅沢なものだった。

写真や動画で伝え聞く景色を遥かに超えていた。

天気に左右される為、毎日見られるわけではないが、自分自身が自然の営みの一部、と思えるような感覚。

そして、日の出で仕事を終える。

あの頃は、この景色を同僚や周辺の畑のわずかな人数で独占していたのだ。

 

朝の喧騒を感じるような中途半端な早起きよりも、突き抜けた早起きの方が精神には良いという可能性もある。

もちろん、睡眠時間を確保した上で、というのが大前提ではあるが。