霧月の執筆道場

文章の練習用のブログです。内容はノンフィクション寄りの雑記(Essay)。

「恋は3年で冷める」は常に真実なのか

恋愛に関する格言は数え切れないほどあるが、本日は主に「恋は3年で冷める」という説について考えていきたいと思う。

 

まことしやかに囁かれているこの定説ではあるが、必ずしも100%とは言えないのもまた事実ではないだろうか。

 

確かに身内や知り合いの中では3年以内で別れているパターンは少なくない。

一説によると8割以上のカップルが3年以上続かないと言われているようだ。ただしこれは「結婚」によって恋愛関係が終わりを迎えたというのも含まれているとも言われているが、離婚率も最近の調査では35%程度あるとされている。

 

その傾向がかなり強いことは真実なのだろう。しかしやはりどう見ても「100%」には至っていないのである。

まず、2割弱が3年以上続いている。さらにその中の一部かもしれないが、おじいちゃんおばあちゃんになっても仲のよい夫婦になっているケースが世の中には存在している。

 

 

私自身は、出会って7年以上の彼とずっと続いている。始まりが判然としないので何年続いたとは言いづらいが、少なくとも一緒に住んで5年以上にはなるだろう。

それまでは遊びで終わっていたものが多かったし、私も深入りするつもりは皆無だったので、「付き合った」と数えられるものは一つもなかったと思う。

 

 

ここから今回考えたいことは2つほどある。

 

ひとつは、恋愛は統計上の話”だけ”で語るのは無理があるということ。

昔、この関係は続かないと誰かに言われたことがあった。しかし、私の中では最初から「この人に関しては私からは10年は飽きたりはしない」という確信があった。

10年という根拠は、その当時で私が長い間好きでいたものの期間がちょうど10年くらいになっていたからである。それと、感覚・条件が近かった。

つまり、当時の私の中での時間軸では「10年間の好き」が最長であり、10年以上の時間は知らなかっただけと言える。10年以上は無理、という意味ではない。

 

実際、その期間の半分以上が経ったが、当時と気持ちは変わらない。

恋と愛は違うとも言われるが、それとも違う気がする。当時よりも今のほうが好きになっているかもしれない。

また、最初からこの確信がなければ間違いなく深入りしていないし、この関係は始まってすらいないだろう。または何度か訪れた危機のときにそこで終わっていたに違いない。

 

こういった感覚は本人にしかわからないものである。

その本人達を見ずに、統計上の話を本人達に押し付けるのはやはり正しいとは言えないと思う。先のことが見通せないのなら、正直に「あくまで統計上」というように、本人達に当てはまるかどうかは別、ということを明示する必要がある。

その上で統計を持ち出すのは有益だと思う。

 

 

もうひとつは、自分の経験が誰にでも当てはまるわけではないというのを知っておいて損はないだろうと思う。

 

上記の統計の話と似ているが、さらに偏った「自分の経験上」「自分が相談を受けて見てきたケース」などを根拠にあなたもそうだと押し付ける人が稀にいる。

しかし、世の中の全てのケースを把握することは限りなく困難である。そのため、自分の経験の範囲内で相手に当てはまるのかは別であるし、むしろ当てはまらないことも多いだろう。

この「恋が3年で終わる」もそうだし、「恋愛と結婚は別」「結婚は忍耐が必要」「子供は素晴らしい」などといった、良くも悪くも恋愛に関するほぼ全ての言われていることがそうなのではないかと思う。

 

自分はこうだったと語ることはできるが、全てが「人による」としか言えないことである。

また、責任が取れないのに圧力をかけるような時代でもない。

私の恋愛も結構なレアケースだと思うので、「恋愛は素晴らしい」と言う気はまったくないし、勧めることもない。むしろ、無理して一緒にいる必要はないし、それが選べる時代になったのだから、個々の幸せの追求には良い時代になったように捉えることもできる。

 

 

まとめると、まことしやかに言われている「恋愛」が、自分が経験する恋愛と同じとは限らない。

理想以上の恋愛ができることもあるし、恋愛以外に幸せを見つけられることもあるだろう。このあたりを人に左右されず、追求しやすい時代だし、興味があり可能であれば、ぜひ追求するべきではないかと思う。